Hをギャグに変えてしまう「ひとには、言えない。」

 

◆概要

主人公は高卒で商社に就職した23歳のOL。

周囲からは控え目な人物だと思われているが、実は性に対する好奇心が人一倍旺盛である。男性経験はもちろん、恋愛経験も無し。

同じ職場で働いている好人物である大卒の先輩からは好意的に扱われているが、恋愛には至っていない。

同年齢のOLによって色々と感化されて様々な出来事を経験するが、何人目かの彼氏のDVに遭遇して社内でも問題視されて、ダメ社員専門の部署に左遷されてしまう。そこで新たに出合った上司との結婚を考えるようになる。

しかし部署は廃止され、上司は実父の経営する会社に転職し、距離を置くことに。主人公は仕事ぶりを惜しんだ元の部長の尽力により、営業職に転じて再スタートを切るがそこで新たに出会った年上の青年は仕事は出来るが、主人公に対しては好意的には接しようとはしない。

新たな職場の人物達は彼を含めて、仕事は出来るが人物的には難のある男女の寄り合い所帯のような所だった。

最初は青年を恋愛対象とはしていなかった主人公だが、徐々に誠実なその人柄に惹かれてゆき、それまでの男達とは違った目で彼を見つめることになる。

主人公に心を開こうとしない青年には辛い過去があったのだが…。それでもお互いに惹かれあうこととなった二人だが、その仲を知った親友である前述のOLが青年の愛を奪うための画策を始めた。彼女によって過去にも男を奪われた主人公だが、女の友情を信じるお人よしの面もあって、彼女との関係を断ち切ることにも躊躇してしまう。

その結末は…。

◆感想

ぶんか社という出版社から前半の部分が全3巻、連載再開後から完結までを含んだ全ての部分が含まれている新装版が全5巻として刊行されています。

判型も装丁も全く異なっています。両者とも作者のさんりようこ氏(女性)の作風である4コマ漫画ですが、場面によっては変則的な扱いがされており、元来カラーページであったはずの箇所も着色されていません。カラーページは巻頭のみです。

長期の中断を経ているため、初期と再開後(新装版第4巻の前半中頃)とは全く画風が変化しています。作画に関しては前半である第2巻の中頃(これ以降はストリーが暗くなる)が一番上手いと思いました。

思慮深く行動することなくその場の素直な感情(欲望?)のままの主人公には好感が持てませんでしたが、心理描写は良く描かれています。女性である作者の鋭い視点ですね。アダルトな内容はともかく、後半の恋愛を主体とした作風に転じた点は男性の読者にとっては納得いかない点もありましたが、それでも恋愛漫画としてはうまくまとまった終わり方なのでしょう。

さんり氏の画力はさすがです。カラーページの画集が見てみたいですね。前半の雑誌掲載時にはテレフォンカードとして発行されていたようです(有償か無償のサービスかまでは不明)。ただし作品の質には相当の差がありますが。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket