著者の画力が秀逸な「アホガール」

 

◆概要

『週刊少年マガジン』(以下『マガジン』)で連載開始され、後に『別冊少年マガジン』(同『別冊』)に移籍され現在も連載中です。

◆解説

超絶・頭の悪い女子高生のヒロインが日常で巻き起こす騒動を描いたコメディ。クールで超優等生なもう一人の主人公である幼馴染の男子の同級生との対比が凄い(ヒロインのストーカー的ともいえる異常な求愛に対して彼の彼女に対する恋愛感情は皆無(少なくとも表面上は))。学校生活や家庭だけでなく、非日常的かつ非現実的な場面でストーリーが展開されることも。主人公達が登場しない回さえもある(ヒロインの飼い犬がメインのストーリー等)。

◆感想

著者の画力は秀逸です(蛇足ですが著者の実姉(恵広史)も漫画家であり、一時期ではありますが『マガジン』誌上で異例の姉弟同時掲載を果たしました)。

登場人物達(人間とは限らない)の描写は鋭く、特に登場する女性達は良く描けています。魅力的です(性格は別として)。

ですが、まともと思えるキャラクターがとても少ないことがこの作品の特色だと思います。ヒロインはもちろん、主人公の少年も普通のレベルでは語れない程の個性の持ち主であり、特にヒロインの母親、担任教師及び2学年上の風紀委員長の3人の女性に関しては恐怖を感じるほどの人物達です。

ヒロインの傍若無人な人となりは母親の遺伝子を色濃く受け継いでいることと納得できます(単身赴任中の父親は主人公が自らの口から語るほどの常識人)。ストレートの長い髪の毛が特徴であるヒロイン(普段はツインテール)は容姿はアイドル級の美少女なのですが、自分の名前を漢字で書けないほど頭が悪く、反して独力で東京大学受験を目指す(塾通い等の描写無し)ほどの優等生(試験の成績は毎回全科目でほぼ満点)である主人公はヒロインに対する恋愛感情はゼロ(むしろ嫌悪している)で、下着姿を見せられても何の表情の変化も見られないほどの冷徹な人物で、このズレが作品の味なのでしょう。

一般的な視点では先述の風紀委員長(黒髪の美人で豊乳の上に成績優秀。しかし主人公に対する一方的な思慕は妄想レベルはヒロイン以上)と主人公が似合いのカップルとなるのは間違いのない事なのですが、ギャグ漫画としては成立しない構図となるのでこの点でのストリー展開は望めそうにありません。

時折登場する近所の小学生達や、クラスメートの3人のギャル組、ヒロインの飼い犬、主人公の妹(兄とは違ってヒロインと同レベルの頭脳の持ち主。ただし現実派)達も話に花を添える存在です。個人的な意見では担任の女教師が好みですが、男に縁の無いアラサーとして、男子高校生に扮したヒロインに一方的に恋慕する姿はとてもかわいそうに思えました。

作者の体調不良により『マガジン』から『別冊』に移籍した「アホガール」ですが、内容の濃さは変わらないと思います。今後の展開が楽しみです。

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