かっこいい巴衛に引かれます「神様はじめました」

 

ひょんなことから人間でありながら、神社の神様になった女子高校生と、500年前から神に仕える神使であり狐の大妖怪が恋をし、少しずつお互い引かれあっていく物語です。

父親が家出し、住む家もなくした女子高生・桃園奈々生の前に現れた怪しい男。「奈々生に家を譲ろう」という男の言葉を信じて彼の家を訪ねると、そこは廃神社! 怪しい男の正体は、土地神・ミカゲだった!! 奈々生は神社を譲られるかわりに、神様の仕事を任されてしまって!?

この手の話にありがちな、最終的に人間になってハッピーエンド、ではなく、恋をしていく過程で様々な障害が二人の前に立ちはだかる。最初はただ妖怪のことが好きだった主人公も、たくさんの壁を乗り越えるにつれて、次第に大人へと変化していく。妖怪も当初は人間を嫌っていたが、主人公を触れ合うことで、人間になることの意味、人を愛するということの尊さに気づいていく。

(白泉社)

私が特に感動したお話は、主人公と生きていくために人間になろうとする妖怪と、寿命という制限があり、妖怪の時のように自由にならない体にしたくない主人公との葛藤です。

その中でも「長い時間を生きる妖怪や神にとって、人を愛するということは毒です。彼らは忘れることができない。失った悲しみを癒す術を持たないのです。」という台詞は心にグッとくるものがあります。

そして人間を愛しているから人間になりたいと妖怪が思うようになるきっかけは壮絶なものがありますが、それでもそれを乗り越えて人間になるエピソードは涙を誘います。

もちろん恋愛漫画ですので、登場人物たちのセリフなどは女子にとって一度は言われてみたい!と思うようなものばかりです。さらに恋愛ばかりではなく、ところどころに交じっているギャグ要素も無理矢理感がなく、とても楽しめます。

25巻完結漫画ですが、作者がちりばめた伏線もすべて違和感なく回収されていて、そういうことだったのか!と驚かされ、さらには500年前から主人公と妖怪はつながっていた、という事実を知ったときはすごいという一言に尽きます。

笑いあり、涙あり、感動ありの漫画ですので、ぜひ一度読んでみてください。

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